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税理士コラム

自分の良き師「メンター」の存在2013年08月01日

先日、ラジオから流れてきた、「医療の分野における混合診療の拡大」というニュース解説を聞きながら、あるお客様からの税務相談を思い出しました。九州から、わざわざご来社された60代前半のS医師は、次のように話を切り出されました。

これから医療業界では、規制改革が進み、必ず大波がやって来る。そして、我が国独自の国民皆保険の理念が、徐々に崩壊して行くだろう。

自分の年齢を考えると、何十年とやってきた今までの診療方針を変更し、新しい時代のやり方に診療所の運営を方向転換していく気力は、もう残っていない。いっそのこと、長年の診療経験から体得した高度医療技術を持って海外にでも移住し、途上国の医療環境の改善に貢献できたら、素晴らしい余生になるし、それなら生きる励みに十二分になる、と。
※混合診療とは、保険診療と、全額自己負担の自由診療とを組み合わせた診療のことで、日本では原則禁止されてきました。

財産を減らさない方法

S医師のお話を伺いながら、常に、医療業界の半歩あるいは一歩先を読み、自分の置かれている立場を俯瞰し、診療所運営をされてきた先見力があればこそ、地域医療においてそれなりのポジションを堅持できているのか、と感服いたしました。

さらに、もう一つの心配事を口にされました。身を粉にして働いてきたこともあり、人並み以上の財産はある。しかし、国の借金が1000兆円を超えた今、国家破綻やインフレ等が現実味を増し、このまま何もせずに財産を日本国内に保有していて良いものかどうか、心配でしょうがない。もしも、紙くず同然になってしまったらどうしよう。

とにかく、築きあげてきた財産を、増やさなくてもいいから、減らさない方法を教えてください。そのためのブレインを、ずっと捜し求めてきました。

S医師の話し振りから、その真剣さ、本気さ、そして熱意が、ひしひしと伝わってくるのと同時に、10年以上前から弊社の代表の野本より聞いてきた、日本の財政危機や国家破綻、お金持ちの海外脱出等の話が脳裏に蘇りました。

さっそく私は、野本代表との個別面談をセッティングしました。案の定、二人はピタリと話が噛み合い、代表の実際の経験談の中から、即行動に移してゆくための様々なヒントを吸収した様子でした。「目からウロコでした、本当に九州から出向いた甲斐がありました」と、大感激で帰路につかれました。

小さな一歩を踏み出す

約10年前、周りにいるスタッフを集めては、「国家破綻の準備をしているか!」と、耳にたこができるくらいに、言って聞かされた記憶があります。その当時40代前半だった私は、急に国家破綻と言われてもあまりピントこなかったのですが、何となくアドバイスを素直に受け入れ、小さな一歩を踏み出したのです。

定年後に年金が受け取れなくなると、最初に始めたのがワンルームマンション投資。収支はトントンですが、5年後の57歳からは、毎月7万円程度の不労収入(自己年金)がチョロチョロと入ってきます。

次に、日本の財政破綻というカントリーリスクを回避するため、実際に香港の金融機関を視察したうえで、海外ファンドに国内の金融資産を移してみました。結果は、運用益が30%、-35%、±0%等といった具合です。

人伝(ひとづて)の情報の価値

10年前から、自己の生活防衛の実践訓練にトライしてきたことで、日本の財政問題、海外の金融事情、国内外の税務、為替問題等、ほんの少しだけ視野が広がり、グローバルな物の考え方が身についてきたような気がいたします。

自分が今までに経験したことがないことに取組む、一歩踏み出すということは、本当に勇気のいることで、ついつい、それに伴うリスクが邪魔をしてしまうものです。

最初の一歩を踏み出すとき、肩を叩き、半強制的に背中を押してくれる存在、それが真のメンターではないでしょうか。本当に有益な、本当に価値のある情報とは、信頼できる人から人へと伝わるもの、と信じております。

真剣に日本の将来を見据え、自分と家族を守るための更なる生活防衛策を実践し、その行動から体得したものを通して、私どものお客様企業にとって、良き相談者になれればと考えております。

税理士 佐藤 修一

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