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税理士コラム

大局を見据えた経営判断2014年01月01日

4月からの、8%への消費増税が、いよいよ近づいてまいりました。

お客様企業におかれましては、消費税改正に完全対応した『CASH RADAR PBシステム』をご利用いただいておりますため、これまでと何ら変わることなく、日々の入力作業を進めていただけますので、まずはご安心ください。
取引の発生が3月31日以前なのか、4月1日以降なのかをシステムが入力日付から判定し、4月1日以降であれば、「8%」の税率が自動的に適用される仕組みになっております。しばらくの間は5%の取引も混在しますが、新税率と旧税率のチェックは、担当スタッフが責任を持って行っていきます。

悩ましい価格転嫁問題

会計処理については全く心配しておりませんが、一つ気がかりなことがあります。それは、平成元年の消費税導入時、平成9年の3%から5%への消費増税時もそうであったように、消費増税分を自社の商品やサービスにそのまま上乗せできるのか、という「価格転嫁」の問題です。

たとえば、小売業者が消費増税分だけ商品の値段を上げずに据え置けば、自社の利益は間違いなく減ることになります。あるいは、小売業者が自社の利益を確保するために、納入業者に対して不当に安い値段で商品の納入を迫ることで、納入業者が代わりに損失を被る可能性もでてきます。

価格転嫁は重要な経営課題であり、大企業に比べ、中小零細企業になればなるほどそのしわよせがくる、大変深刻な問題といえます。
そして、来年秋の10%への消費増税の予定、あるいは、さらなる消費増税も見え隠れする中にあって、価格転嫁は目先の経営課題ではなく、半永続的な課題として捉えてゆく必要がありそうです。

逆風を事業拡大のチャンスにする

ここで、昨年11月、日本経済新聞WEB版に掲載された記事をご紹介いたします。

―ドン・キホーテ、消費増税の「風車」に挑む―
“ 小売業界が戦々恐々とする来年4月の消費増税。消費に吹き付けるこの逆風を、むしろ事業拡大のチャンスと待ち受ける企業がある。「3週間が勝負。先制攻撃を仕掛ける」。どこかの国の軍事行動の話ではない。ディスカウントストアのドン・キホーテ幹部の言だ。増税を機にした価格競争の激化で優勝劣敗が鮮明になるタイミングを捉え、一気にシェアを広げる秘策を準備しているという。
幹部が明かす腹案はこうだ。増税後は消費者の生活防衛意識が高まり、価格競争が激しくなるのは必至。売価を引き下げれば粗利益率が悪化するが、価格を維持すれば顧客をライバルに奪われかねない。そこでドンキは増税実施直後に大規模なセールを実施して真っ向から消耗戦を仕掛け、シェアを高める作戦に打って出るという。” (以下略)
【2013年11月8日 日経新聞WEB版】

業界初! 税額補填パックサービス

くしくも、消費増税のタイミングで、私どもの事務所も、これから10年先、15年先を見据えた新サービスを展開中でございます。
最良のサービスをお届けしたい、という一心から、3年前に「税務総合戦略室」を設置し、直近まで国税当局で活躍していた元国税調査官を「法人税」「資産税」「海外税務」など、税務案件ごとに多数、迎え入れました。

そして、会計帳簿をしっかりと作成し、余分な税コストを支払わないように税務対策を立案、実行することに加え、「仮に税務調査により追加で納める税金が生じたら、税額を補填する」、という業界初の税務会計顧問サービス『税額補填パック』を開始するにいたりました。
(※年商10億円未満のお客様企業が対象となります)

今回の消費増税のように、お客様企業を取り巻く社会経済環境は常に変化し続けてゆきます。企業の成長、存続のために大切なことは、目先の問題に一喜一憂するのではなく、大局を見据えた経営判断の繰り返しではないでしょうか。
お客様企業のお手本になれるように、私どもの事務所においては、『税額補填パック』を新たな武器として、より一層の税務サービスの充実を実現してまいります。今後も、スタッフ共々、何卒ご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

税理士 佐藤 修一

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