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税よもやま話 第24回 睡眠考査

2015年06月11日

春眠不覺曉 處處聞啼鳥
夜來風雨聲 花落知多少

春眠暁を覚えずといいます。社会通念上では3・4・5月が春のようですが、すでに初夏のような日々が続いています。しかしながら季節を問わず場所を問わず眠いものは眠いものです。悪い奴ほどよく眠るといいますが、私にも人並みに、なかなか眠れない日が訪れます。昔は羊の頭数を数えたものです。
「羊が一匹・二匹・・・。」千五百頭数え終わった時は完全に目が覚めていました。
最近は寝る前の布団の中で本日のわが社における業務の反省。明日以降の仕事の段取り等々を思い描いたうえで静かに眠りにつきます。(眠れるわけがない)

ナボレオン

かの偉人ナポレオンは1日3時間しか寝なかった、と言い伝えられています。フランス革命後の混乱を収拾して、軍事独裁政権を樹立し、イギリスを除いたヨーロッパ大陸の大半を勢力下に置いたナポレオンですが、実は昼寝の習慣があったそうです。側近が書き残した回顧録にょると、ナポレオンは1日に合計6~8時間ほど眠っていたとのこと。会議中や、馬に乗って移動している最中によく居眠りをしていたとの記録もあります。ナポレンは意外とたくさん寝ていたようです。

アインシユタイン

物理学者のアインシュタインは十時間以上寝ないと機嫌が悪かったそうです。一日の半分近くを寝室で過ごしていたということは、特殊相対性理論および一般相対性理論は夢の中から生まれたのかと勘ぐってしまいます。実は夢が関連していました。
ある晴れた日の昼休み、アインシュタインは学校(チューリッヒ連邦工科大学)の裏にある丘に寝転んで空を眺めていました。いつの間にか眠り込んでしまい、不可思議な夢を見たそうです。
それは、自分が光の速さで光を追いかける夢であったという。彼は目が覚めると、すぐに思考実験を試みました。この夢が後の相対性理論を生み出すことになったといわれています。

睡眠のメカニズム

人間の体内時計は鍵時間十αとなっており、毎日数時間ずつずれていきます。この体内時計をりセットするには、太陽光またはそれ以上の光を目から浴びなければなりません。太陽光を浴びると「セロトニン」という脳内活性物質が分泌されます。「セロトニン」が分泌された十四から十六時間後に「メラトニン」という睡眠を誘発するホルモンが分泌され、心地よい睡眠がもたらされることになります。良い睡眠は集中力や判断力そして決断力が高まります。

睡眠預金

さて金融機関で十年以上も睡眠をとっていた預金があります。この取引のない「休眠預金」を公的な使い道に回す議論が再び広がってきたようです。睡眠預金とは預金者に忘れられた預金であり、銀行側から見ますと預金者の所在がつかめない預金ということになります。睡眠預金は元金とその受取利息の蓄積で構成されています。われわれの誰もが一つか二つは持っている可能性があります。
金融庁の調査によりますと一年間に850億円が認定されるとのことですが、毎年、一つの信用金庫で約1億円、地方銀行で数億円、都市銀行ですと十数億円の睡眠預金が発生しています。現在睡眠預金は銀行の利益としてその他経常利益に計上されていますが、元をただせば国民の遺失利益、銀行が私物化する筋合いのものではありません。年間で500億円ともみられる休眠預金を活用できれば、やり繰りに悩む財政に一定のプラス効果をもたらすこともできます。母子家庭や貧困層への支援などを想定した福祉事業、将来の日本を支える子育て事業など日本の国に夢を与える事業に使って貰いたいものです。

(諸外国の休眠預金の活用例)
米国   休眠期間は3年間。州の予算として使われている。
フランス 休眠期間は十年感国家の予算として使われている。
英国   休眠期間は十五年間政府系のファンドとして各地域で社会・環境目的に使用されている。

税理士 松井 孝榮