CASH RADAR命名の由来
2014年12月01日
代表社員 佐藤 修一私どもの事務所には、日々、経営者様や経理担当者様がご来社され、税務相談、決算の事前打合せ、決算報告会、会計システムの入力練習などを、大スクリーンにお客様企業の会計データを映しながら、担当スタッフと行っております。私もしばしば同席する機会があるのですが、必ず貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書に目を通し、お客様企業の近況を担当スタッフにヒアリングしたうえで臨むことにしております。同席時に、たとえ税務会計の話題にならなかったとしても、この習慣は東京事務所の所長に就任して以来、変わっておりません。
会計データを立体的に見る
目を通す順番も決まっていて、最初が貸借対照表、次が損益計算書、最後にキャッシュフロー計算書、という具合です。なぜこの順番かといいますと、次のような理由からになります。最初に貸借対照表を見るのは、極論すれば貸借対照表だけで十分というぐらい、この会計データには企業活動のすべてが凝縮されているからです。例えば、企業の永続的な成長発展のために一番重要な現金・預金の保有高、将来的にその源泉となる売掛金、中長期的に売上獲得に貢献する固定資産、運転資金としての銀行借入金の残高など。そして、ここを見れば一発で企業の財務体質の良し悪しが分かる純資産額(創業以来の利益のたまりを表す部分)。
次に損益計算書の各種利益項目から、儲け具合を確認していきます。
①売上総利益(粗利益)……企業が新たに生み出した価値(付加価値といいます)
②営業利益……本業で獲得した利益
③経常利益……本業以外の利益や借入利息等の金融費用を加味したところの、通常の企業活動から得られる利益
さらに、利益率や経費率の変化を時系列に確認し、異常値があればその原因を予測し、同席時に経営者様に現状を確認します。最後にキャッシュフロー計算書を確認するのは、現金・預金の増減の原因が、本業の稼ぎによるものなのか、あるいは、本業がおもわしくなく借入金等によるものなのか、貸借対照表と損益計算書の数値の資金的な裏付けを取るためです。健康診断で、レントゲンや血液検査だけでは分からないことをCTスキャンを撮ることで立体的に見るように、この三つの会計データを同時に確認することで、お客様企業の健康状態がほぼ掴めるのです。
現金・預金と羅針盤
ここで、私どものお客様企業に20数年来ご愛顧いただいております、弊社が独自に開発した会計ソフト「CASH RADAR」命名の由来をご紹介しましょう。
平成4年に発売されたこの会計ソフトは、簿記会計の専門知識が全くない方でも簡単に入力ができ、リアルタイムで試算表などの会計データを自社で確認できる、いわゆる「自計化(自社の帳簿は自社で作成し、会計データを経営に活かす)」ツールとして誕生いたしました。
その当時、代表の野本が、スタッフにネーミングを募りました。様々な名前が飛び交いましたが、最終的には、企業の永続的な成長発展にとって最も重要な「現金・預金」いわゆる「CASH」と、その羅針盤的な役割「RADAR」から、「CASH RADAR」になったと記憶しております。
素晴らしいお金儲け
企業活動にとって現金・預金は、人間に例えるとまさに血液、その流れが止まるということは、「死=倒産」を意味します。年商が数億円、数十億円あっても、利益が数千万円、数億円でていても、従業員が数十人、数百人いても、現金・預金が潤沢になければ、企業活動はいつしか停滞し、新たな事業展開や給料アップなども望めません。経営者様の夢を実現するためにも、潤沢なキャッシュフローを継続的に生み出すことが不可欠なのです。
私どもの事務所は、創業当時の42年前から、そして弊社の会計ソフトの名前の由来にあるように、キャッシュフロー重視の経営を一貫して強調してまいりました。そして、この税務会計サービスをご提供する上でのスタンスは、今後も変わることなく、10年、20年、30年……100年先まで、受け継がれて行くことでしょう。
税理士 佐藤 修一