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日々、日々の先読み訓練

2013年04月01日

弊社代表の野本は、都内某有名ホテルのレジデンスを利用しているのですが、折に触れ、スタッフを集めては自身が感動した超一流のサービス体験についての話をしてくれます。その影響もあり、先日、その某有名ホテルのサービスの神髄という一冊の本を手にする機会がありました。

その中で、私の心に強く残った一節があります。「私どもは、常に、ホテルを利用されるお客様が何を考えているのか(つまりは、お客様のニーズ)を、先読みする訓練をさせられるのです、そして、お客様のみならず、一緒に働いている同僚スタッフが何を考えているのかも、先読みする訓練をさせられるのです……」。

お客様が最優先と思いきや、同僚のスタッフに対する先読み訓練もしているとは。なるほど、このような日々の積み重ねが、お客様満足度世界No.1を誇る超一流のサービスを支えているのだなあ、とその片鱗を見た思いでした。

お客様も同僚スタッフも

翌日の朝礼で、早速、この「先読み訓練」の話を私どものスタッフに言って聞かせました。

「お客様企業は、試算表や決算申告書を作成する等、単なる過去の集計作業だけでは満足も感動もしない、それは、税務会計のプロとして、やって当り前のサービス。先読みサービス、つまりは、今現在、そして将来に向けて、お客様企業は何を考えているのか、常に関心を持とう。関心を持つことで、無機質な税務会計サービスの提供に工夫が生まれ、1件1件のお客様企業が本当に求めているサービスに近づくことができる。また、もう一つの気づきである、自分の隣席のスタッフが何を考え、何に困っているかを先読みすること。そして声を掛け、そこに手を差し延べることが、良い人材を育み、延いては、サービス向上に繋がる」と。

私どもは、創業以来、お客様企業と共に、過去処理に費やす時間を極力少なくするために独自の会計システムを最大限に活用し、現在進行形の、できれば将来に向けての税務会計サービスの実践を、事務所の方針に掲げてまいりました。

2、3ヶ月前の古新聞ではなく、今日の新聞、できれば2、3ヶ月先の予想新聞をご提供する。より新鮮な税務会計情報にこそ価値があり、お客様企業の経営判断に役立つと信じております。

決算前検討会と決算後検討会

一般的に、会計事務所が提供するサービスは、どちらかと言うと、この先読みとは真逆の、過去処理に終始する傾向にあります。例えば、帳簿データの税務会計上の適否をチェックする、帳簿データの作成代行をする、あるいは、決算申告処理をする等、少なくとも1、2ヶ月前を対象とすることになります。前述の通り、それではお客様企業を本当に満足させ、感動させることは出来ないのではないでしょうか。

そこで、私どもの事務所においては、基本業務の中で先読みサービスを重視することを心がけております。
・決算前検討会……決算月の約2ヶ月前に、社長様と一緒に、今期決算の青写真を描き、数値目標・納税額を先読みしたうえで、節税対策を検討、実施するサービス。・決算後検討会……決算月の2ヵ月後(申告月)に、今期決算の報告を実施、それを基に来期の数値目標を先読みし、経営課題、社長給与額の検討を実施するサービス。

痒いところに手がとどく

両方のサービスに共通することは、過去のことではなく、先読みを通して、お客様企業の将来像を見える化(みえるか)することです。経営者様とお会いしていても、変えることのできない過去の話よりも、これから先どうしましょうと、未来に向けての話をしている時の方が数倍楽しそうに思えます。

私どもは、会計事務所である前にサービス業である、ということを常日頃よりスタッフに言い聞かせております。

サービス業に徹する第一歩は、お客様企業の商売の内容・経理状況はもちろんのこと、経営者様の性格・誕生日・趣味嗜好、さらには奥様やお子様の近況・誕生日等、税務会計以外のありとあらゆる事に対して関心を持つことから、と考えております。

本当に痒いところに手がとどくサービスを追求して、スタッフ一同、修養に心がけてまいります。

税理士 佐藤 修一