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税理士コラム

成功者になるための法則その3-1~成功へとつながる縁~2019年02月28日

 シリーズ「成功の法則」ですが、今回は人間関係をテーマにお伝えします。
 これまでの連載でお伝えしてきましたように、成功の実現のためには「価値ある目標を設定し、目標を鮮明にイメージし、達成するまでの期限を決め、その目標を達成するための方法と手段を見つけ、狂気の沙汰で努力する」ことが必要になります。
 しかし、ここで忘れてはならないのが、何事も決してひとりではできないということです。人はひとりで生きているわけではありません。人と人のつながりの中で、生きているのです。成功するには人との付き合い方を誤ってはいけません。
 それでは人との付き合い方、つまり、人間関係を大事にするにはどうすればよいのでしょうか。結論から申しますと、私は「縁」を大切にするということに尽きると考えています。読者の方には「なんだそんなことか」と思われる方も多いと思います。しかし、「縁」とはありふれた言葉であるようで、非常に深遠かつ茫漠としたものです。したがって、その捉え方は、人によって異なるものだと思います。
 「わたしは縁を大切にしています」と多くの人はお考えになるかも知れません。では「あなたにとって縁とは何ですか?」と問いかけられて、明快に答えられる方は果たしてどのくらいいらっしゃるでしょうか。多くの方は、何も答えられないのではないでしょうか。ありふれた言葉だからこそ、ただ「なんとなく」理解しているつもりになっているだけであり、「縁」について深く考えたことがないからなのです。

縁が切れることのない別れを

 人間は社会的な動物であり、人と人とのかかわりの中でしか生きていけません。様々な人との出会いの積み重ねが今の自分を形作っているのです。しかし、「出会いは別れの始まり」という言葉があるように、人と人は出会ったらいつか必ず別れていくものです。私もこれまで40年間、経営者として、多くの出会いと別れを経験してきました。職員が辞めていくのは正直つらいことです。
 けれども、私は40年間、一度たりとも、そのことで声を荒げたり、引き止めたりしたことはありません。常に「ご苦労様でした。近くに来たら顔を出してくださいね」と言うことにしています。
 喧嘩して分かれてしまえば、その縁は切れてしまいます。しかし、きれいに別れることができれば、別れは生じても、縁が切れることはないのです。

「縁」が「円」そして「和」へとつながる

 そして、縁を大切にしていると、やがてそれは、円、お金にもつながっていくのです。仕事は決してひとりでできるものではありません。経済は多くの人とのかかわりによって、まわっているのです。縁をおろそかにしなければ、困ったときに、誰かが助けてくれたり、手を差し伸べてくれたりするものなのです。
 やがて、円が大きく膨らんでいき、輪となり、最終的には和(幸福)につながるのです。つまり、幸福になりたければ、成功したければ、縁を大切にすることなのです。

税理士という仕事へつながった縁

 縁にまつわるエピソードとして二つほど私の体験をお伝えしたいと思います。
 一つ目は、私が税理士を志すことになった「縁」についてです。今から遡ること45年前、私は早稲田大学の4年生でした。学友が就職活動に精を出している中、私は友人と伊豆の大島に旅行へ行き、その帰りに熱海に向かいました。叔父が某企業の保養所の管理をしていたため、立ち寄ってみたのです。叔父は私を見るなり、「就職は決まったか?」と聞いてきました。当時、私は将来どのような道に進むべきか決めておらず、就職活動もしておりませんでした。叔父は何を想ったか「ロビーに日本大学の教授で会計学で有名な油谷先生がいらしている。何かの足しになるだろうから、話をしてみろ」と私を促しました。
 ロビーに行き、ご挨拶させていただき、世間話を一通りしたあと、油谷先生はおもむろに「就職決まってないのか。じゃあ君、税理士になりなさいよ。税理士というのは資格をとれば一生のもの。棺桶に足をつっこむまで税理士なんだよ」と仰りました。私は大学の学部は商学部でしたが、会計学は2回連続で「不可」、3度目の正直でやっと「可」といった成績でしたから、まさかこの時、自分が税理士になるとは夢にも思いませんでした。ただ、何か自分の心に引っかかったものがあったのか、夏休みに郷里の書店で税理士の仕事について調べました。そして、電話帳で税理士の欄を手繰り、50音順で最初に掲載されていた「赤塚会計事務所」に電話をしました。税理士の仕事について聞くためです。
 すると、「今から来なさい」と先生は仰ります。私はすぐに自転車に飛び乗り、事務所に向かいました。既に夕方で職員は誰もいません。夕日が差し込み、先生と私は向かい合っていました。何を聞いたのか今では記憶もおぼろげですが、たったひとつ、最後にした質問だけは鮮明に記憶しています。それは、「もし生まれ変わったら、どんな職業を選びますか?」というものでした。先生は、にっこりと笑い、「また今の仕事を選ぶよ」と仰られました。
 私はその言葉を聞いて税理士を志すことを決めたのです。「父親が税理士で幼い頃から父の姿を見ていて、私も税理士になろうと思いました」といった誰もが納得できる明確な動機があったわけではないのです。ちょっとした出会い、つまり縁を、自分がどう受け止め、動くかによって、人生が大きく左右するのです。
 逆に、赤塚先生が「もう税理士はいやだ」と仰られたら、私はおそらく税理士ではない道を選んだことでしょう。それ以前に、叔父のところに立ち寄ったその日に、油谷先生が宿泊されていなかったら、そもそも赤塚先生との出会いもなく、税理士という職業に「縁」はなかったのだと思います。このエピソードは、あくまでも「私が税理士を志した理由」についてだけのものですが、長い人生、様々な人との縁があり、あらゆることにおいて、何かしらの縁がつながっていき、今の自分を形作っているのです。

ビジネスの本質を教えてくれた縁

 他にも、本連載でお伝えしてきたように、税理士事務所を開業したての頃に様々なアドバイスをしていただいたSさんとの縁も忘れられません。
「野本君、残念だがお客は見た目で判断するのが現実だ。起業して間もない中で、立派なビルを構えろ、なんて無理難題は言わない。でもスーツくらいは、既製品の吊るしのものではなく、フルオーダーでちゃんと自分の身体にあったものを作りなさい。ビジネスマンはスーツが武器なんだから。そういうことに無頓着で、仕事ができる人なんていないものだよ。君は税理士だろ。今後、成功者と接触する機会もあるだろう。でもそんなスーツを着ていたら値踏みされるよ。それは言い換えれば、人間の中身を値踏みされていると一緒なんだ」
 その方は、百貨店の出店に関わる商品仕入の責任者を担当されていた方で、まだ世の中を知らない私に対して、真摯にビジネスの本質を教えてくれたのです。
 また、Sさんはこうも仰りました。
「野本君、君は税理士だ。つまり経営者と会う仕事だよな。人間と人間は、年齢も立場も関係なく、会った瞬間に関係性が決まってしまうものなんだ。だから、絶対に相手の迫力に気おされてしまってはダメなんだ。圧倒されたらそれでもう負けなんだ。だから、『これだけは負けない』という武器が必要なんだ」
 私は、Sさんからのアドバイスを受け、早速、フルオーダーのスーツと、これだけは負けない武器として、当時としては相当無理をして借金をし、ロレックスの金時計を購入しました。

感謝を形であらわすことが縁をより大きなものとする

 その後、東京へ進出し、売上30億円を超えたこともあれば、逆に24億円もの借金を背負ったこともありました。紆余曲折、波乱万丈の経営者人生の中で、さまざまな縁のおかげで今日を迎えることができています。振り返れば、今日まで実に多くの方々との縁のおかげで、人生における様々なアドバイスやヒントを頂戴してきました。そして、開業から40年を経た現在、その本当のところの意味や深さが腑に落ち、あらためて感謝の意を強くしています。
 感謝の意を示すのに遅すぎることはありません。特に若い頃に人生の先輩からいただいた助言の本当の意味に気づくまでには、往々にして長い時間が必要であったりします。しかし、点と点が結びつき、線になったその瞬間に、それをしてくれた方に対して、可能であるならば感謝を伝えるべきだと私は思います。
 先日、20数年ぶりにSさんと再会を果たしたこともあり、40年前に人生の大切なアドバイスへの感謝として、目録をお渡しし、ご夫婦でリッツ・カールトン東京へご宿泊をご招待させていただきました。
 人はよく「感謝している」「ありがたいと思っている」と口にします。しかし、それだけでは伝わらないと私は感じています。感謝の気持ちは、しっかりと形でもってあらわすべきなのです。それは大それたことでなくても、ちょっとしたものや配慮でもいいのです。
 そういう気遣いの積み重ねが、縁を太くし、それがやがては円になり、さらに輪となって循環し、最終的に和へと収斂されていくのです。

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Sさんに感謝の形としてお贈りした目録

親や先祖へと続く縁があって今の自分がある

 人生には様々な縁がありますが、私はつまるところ「縁」の源は「両親」なのだと考えています。当たり前のことなのですが、両親がいなければ今の自分はそもそも存在していません。そして、その先にはご先祖様がいるのです。連綿と続く生命のバトンタッチの中で、今、自分は生かされているのです。
 これは何人にとっても否定することはできません。しかし、この当たり前のことを忘れてしまい、まるで自分ひとりで今があるかのような錯覚にとらわれてしまうのです。結果、両親やご先祖様への感謝をしなくなるのです。
 縁の源であるご先祖様を大切にせずに、人付き合いを極めようなどというのはもっての他です。ましてや成功などできるはずもありません。まずは、ご先祖様のお墓を掃除し、花をそえ、線香をあげ、感謝をささげましょう。それこそが、成功にとって肝要である人付き合いをうまくいかせる第一歩なのです。

 創立者 野本 明伯

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